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高齢化が進む中、知っておきたいMild Cognitive Impairment(軽度認知障害)と認知症保険

2020年05月31日

日本の65歳以上の高齢者の人口は、2019年9月15日現在3,588万人となり、高齢者人口が総人口に対して占める割合を示す「高齢化率」は28.4%で過去最高となりました。

国立社会保障人口問題研究所の推計によると高齢化率は加速度的に進み、2025年には総人口の30.0%となり、2040年には35.3%になると見込まれています。

一方で、健康寿命とは、自立して健康に生きる時間を言いますが、平均寿命の10歳ほど低い年齢で、長生きはしても、日常生活に支障をきたして介護支援を受ける期間が長いのが実情。介護はどの家庭にも起こる課題です。

生命保険に関する全国調査2018年(生命保険文化センター)によると、要介護者の発生率は、40~64歳では0.4%、65~69歳では2.9%、その後は80~84歳では27.8%と急激に高くなり、85歳以上では60.0%となります。統計では、70歳以上では男性より女性の介護比率が高くなることがわかります。

内閣府男女共同参画局HP平成29年

また、介護が必要になった原因の1位は認知症、2位が脳血管疾患、3位は高齢による衰弱と統計が出ていますが、その平均介護期間は4年7カ月、うち約4割以上が4年~10年だそうです。

介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、平均7.8万円/月と、老後資金を試算するときのポイントにもなり、介護生活を支える資金が心配です。(厚生労働省「国民生活基礎調査」)

そこで、近年、認知症の原因である生活習慣病のリスクとなる高血圧、糖尿病、脂質異常症などを、食生活の改善、運動、社会活動(人とのかかわり)で予防することが積極的に提唱され始めました。

厚労省は、2012年に462万人だったの日本の65歳以上の認知症疾患者は、2025年には700万人になり、これは65歳以上の5人に1人の割合で、2060年には1,154万人(総人口の33.3%)になるとの推計を発表しており、ますます老老介護や、認認介護などが進む高齢化する家庭での負担が心配されているのです。

今、認知症予防のために、認知症の早期発見のために、初期症状チェックをすることで効果を出すことも提唱されており、認知症は早い段階で発見できれば、進行を遅らせることが出来、比較的良好な状態を保つことが出来るため、早期発見のために初期症状に気づく、周囲に気づいてもらうことが大切と言われます。

日常生活は問題なく送ることができている状態は、MCI(Mild Cognitive Impairment軽度認知障害)と呼ばれます。MCI は認知症ではありませんが、記憶や言葉、行動などの認知機能の低下が起きていて、その後、症状が進むと認知症へと移行してしまう可能性が高い状態です。MCIの症状が進行して認知症へと移行するのは1年間で10%程度と報告されていますが、一方でMCI と診断された後に認知機能が、年齢相応な状態へと回復する確率は3 割程度ともいわれており期待できるものです。

認知症外来、物忘れ外来などの専門の医療機関では、認知機能を回復するための適切な対応や取組みが行われています。

MCI(Mild Cognitive Impairment軽度認知障害)の症状を下記に表してみました。

早い段階で発見してMCIの段階から認知症へ進行しないようにケアすることが大切です。

買物に時間がかかる

ニュースや周りのことに関心が無くなる

料理の味付けが変わったと言われる

同じことを何回も話す、尋ねる

手の込んだ料理を作らなくなる

財布に小銭が多くなる お金の使い方が以前と違う

お鍋を焦がした

なんとなく意欲がない気がする

外見を気にしなくなった

マニュアルや新しいことを覚えるのが億劫

出かけるのが億劫になる

付き合いの範囲が狭くなる

予定を忘れて慌てることがある

怒りっぽくなった

                          NHK今日の健康放送

※厚生労働省「認知機能低下予防、支援マニュアル」長谷川式簡易知能評価スケールによる

https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1h_0001.pdf

アルツハイマー型認知症の検出に定評のある長谷川式スケールは、各設問の配点の合計が20点以下だと認知症の疑いがあるとするものです。

そして、認知症と診断されて介護が必要になったときに保険金が出るのが「認知症保険」です。

2016年から、さまざまな商品が生損保会社から出ています。介護保険や医療保険の特約として保障がつくものや、認知症保障単独の保険もあり、所定の認知状態になったとき一時金か年金かが受け取れる保険ですが、認知症保険はその保障の内容が様々で違いすぎるため、医療保険やガン保険のように保険料が安い、高いなどの比較判断がつけにくいのも現状です。

所定の認知状態とは、認知症の原因を器質性認知症(全体の約8割)に限定して給付するもので、認知症保険と言ってもすべての認知症を保障するのではなく、それぞれの保険の給付の条件には特徴があります。

認知症と診断されただけでは給付金が支払われないものもあるのです。

また、男性より女性の方が、認知症になる確率が高いというデータがあるため、女性の保険料は割高です。

最近は、MCI(軽度認知障害)をケアする保険も出ています。

※認知症には様々な脳の病気が原因の器質性認知症と加齢によって認知機能が衰える機能性認知症がある。

明治安田生命         「認知症ケア MCIプラス」

朝日生命
「あんしん介護 認知症保険」

東京海上日動
「認知症あんしんプラン」

契約年齢 50~85歳

 40~75歳

40歳以上の認知症の方とその家族

保険期間 終身(発生前に加入)

終身 定期 (発生前に加入)

終身1年更新(発生後に加入可)

終身医療保険に認知症の保障とMCIの保障を特約で付けたもので、MCIと判断されれば軽度認知障害保険金が支払われる。入院や手術の保障も付いている保険で認知症の特約を付けなければ医療保険となる。

認知症介護保険と死亡給付金で構成され、死亡給付金があるため、認知症にならずに死亡しても給付金が受け取れるのに料金は割安。認知症要介護1以上の認定で保険料払込免除。

行方不明時の捜索費用補償 (1事故30万円を限度)、個人賠償責任補償(1億円)、被害者死亡時の⾒舞費⽤補償(⼀律15万円)、付帯サービス(捜索支援サービス)がある。

健康なうちから老後に備える、介護や認知症に対する備えは必要です。現在の家計の収支のバランスの中、老後の生活設計をたてて、将来、要介護や認知症になった時に、どのような生活を余儀なくされ、どのように暮らしたいのか、介護にかかる費用は足りるのかなど、一度家族で話し合っておきたいものです。

※老化による物忘れと認知症による物忘れには違いがあります。例えば、老化による物忘れは会ったときに名前が出てこない、名前を忘れてしまったというものですが、認知症の物忘れは、会ったこと自体、生活体験の全体を忘れてしまうのです。前者は物忘れを自覚していますが、認知症の場合は、物忘れの自覚が乏しく、例えば朝食をとったことの体験事体を忘れてしまうのですが、認知症の症状には、怒りっぽくなる、妄想、意欲が無くなる、うつ、暴力行為や興奮、不安、幻覚、徘徊等を周辺症状(BPSD)と言われる周りの人との関わりの中で出る症状(近年は行動、心理病状という)と、内核症状と言われる、仕事や家事が出来なくなる、判断力の低下、記憶障害、時間や場所がわからない、話している言葉がわからない、等の症状が見られます。

※成年後見制度とは、認知症によって物事を判断する能力が十分ではない方について、本人の権利を守る

支援者「成年後見人」を選ぶことで本人を法律的に支援する制度です。

「市民後見人の会」をご確認ください。www.shiminkoukenninnokai.jp/kai-syoukai2018.11.23.pdf

私自身の母親は、骨折が原因で約7年間の介護生活を送りました。要支援2から支援5へと認知症の症状が進んでいく過程において、その変化を受け止め、共に穏やかな時間を過ごすことが出来たのは、会の会員として認知症について学んだ知識や経験を指標にすることが出来たことからと振り返っております。 成田祥子

投稿者:栗田 カテゴリー: ライフプラン, 保険

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